2015年01月08日
完全透明の光発電素子
国際先端技術総合研究所 太陽電池超の効率期待
国際先端技術総合研究所(IFTL、東京都港区、小松信明社長、03・5575・3555)は、ガラス板に内蔵できる完全無色透明の光発電素子を開発した。 人工水晶を使った新型の発電素子で、太陽電池と同様に太陽光のエネルギーを電力に変換できる。変換効率はまだ3%程度と低いが、日差しをカットする 45%の高い熱遮断率があり、発電と遮熱双方の効果で、従来の太陽電池をしのぐ性能が見込める。
2015年内の製品化をにらみ、今春から順次、サンプル出荷に乗り出す。
IFTLは医薬品から太陽電池まで、幅広い分野の研究開発と事業化を手掛けるベンチャー。高純度な二酸化ケイ素から作られる人工水晶を使って光発電素子を開発した。
国内メーカーが製造する人工水晶の端材を使うため原材料は安価。ソーラークオーツ(SQ)と呼ぶ独自素材を開発し、電解液を挟んだ2枚の導電性ガラスの一方にSQを
貼り付けた構造を持つ。紫外光と赤外光を使って発電し、可視光は透過する。
透明な太陽電池の研究は進んでいるが、実用レベルのものはない。光発電素子をビルなどのガラスに使えば、発電と遮熱の機能で「20%台の効率を持つ既存のシリコン
太陽電池を上回る性能が得られる」(小松社長)。
光発電素子はガラスに内蔵し、「光発電ガラス」建材として子会社のIFTL-Solarが事業化する。